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T I/E AR ~ティアー~ Diary

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放射レポート

放射線学のレポート、[演習問題]の回答を載せていきます。
問題が変化してたらゴメンナサイ。

実験1

1.GM計数装置について

a)GM計数装置のGMとは何の略か
ガイガーミューラー(Geiger-Muller)。ガイガーとミューラーという、二人の人名。

b)GM計数管の構造と、計数管内部に何が充填されているか
GM計数管とは、放射線が気体などの物質に衝突してその物質が電離し、その電離によって生成される電離電子やイオン(イオン対)を直接または増幅して電気信号に変換し、放射線の検出・計測する装置のことである。放射線の計数装置には他に、電離箱、比例計数管などがある。
GM計数管に用いられるガスには、GM計数管に充填されるガスには、ヘリウムやアルゴンがある。GM計数管では、放射線の検出によって一度起こった放電は連続放電に移らないように、何らかの方法で管内の放電を消滅させる必要があるため、計数管内のガスに有機ガスやハロゲンガスを添加して、放電の成長を抑制する。このような消滅方法を用いたものを、有機ガス消滅型GM計数管というが、有機ガスは消滅作用とともに分解するために、108~109個の計数でGM管の特性は劣化する。 有機ガスでなく、消滅ガスにBrなどを用いたものはハロゲン計数管と呼ばれている。この消滅機構は、有機ガスの場合と異なり再生されるために、消滅作用に原因する計数管の寿命はないとされている。
以上のように消滅ガスを用いて放電を止めるものを自己消滅型と呼び、これに対してGM管の外部で電気的回路等の働きにより放電を止めるものを外部消滅型と称する。GM計数管は円筒形の陰極と、その中心軸に沿って張られた針金(50~100μmのタングステン線またはソフトステンレス線)の陽極からなる。管内に放射線が入ると管内の気体分子が電離し、イオン対になり、陽イオンは陰極へ、電子は陽極へ引っ張られる。その後、陽イオンは陰極で、陰イオンは陽極で中和・放電され、再びもとの状態にもどる。このときの電圧変化がパルス状になり、この電気的パルスを電気回路で計測する。

c)連続放電とは何か?またそれは放射線の計数にどのような影響を及ぼすか
連続放電とは、放射線を計測するときにかける高電圧が、必要異常の高電圧をかけたときに、a)で示した放射線の計測のときにおこる中和・放電が、再び次の放電に作用してしまうこと。連続放電によって、本当に計測したい放射線以外に、重複して線量を計測してしまうので正しい計測が行えない。
連続放電を防ぐために、管内にガスが充填してある。これらのガスは放電で生成した陽イオンの電荷を奪ったりして、放電しすぎないように働いている。よって、GM計数管を使用する際には最適な高電圧を使用しなければならいので、実験Aにて使用電圧を測ったのである。

d)連続放電は何が原因で発生するか
必要以上の高電圧によっておこる。c)参照。

e)消滅ガスとは何か?またどんなものがあるか
放電で生成した陽イオンの電荷を奪ったりして、放電しすぎないように働いたり、紫外線を吸収する、管内充填ガスのこと。有機ガス(エチルアルコールや蟻酸メチル、キシレン、イソブタン)やハロゲンガスなどがある。

f)hvは計数装置のどこにかかる電圧のことか
hvはGM管を動作させる電圧(印加電圧)のことで、波高弁別回路にかかる。

g)hvと放射線計数の関係を述べよ
印加電圧をあげて、高電圧をGM管にかけると、ガス増幅が大きくなり、入射するエネルギーに無関係に計数値が一定になる。この領域をGM計数管領域という。この領域は、パルス波高からの大きなエネルギーの測定は出来ないが、感度がたいへん高いので微量な放射線の計測を行うことができる。

h)波高弁別回路の原理を述べよ
波高弁別回路は、計数回路の前段階として機能するもので、波高弁別回路AとBの対をなして機能する。波高弁別回路Aは、入射したパルス波高が、あらかじめ設定しておいた値Vより高ければ出力し、波高弁別回路Bは、あらかじめ設定しておいた値V+△Vのときに出力する。Aの出力があり、Bの主力がない時にはじめて計数装置へと出力され、計測される。即ち、入射するパルス波高があらかじめ設定しておいた値VとV+△Vの間のものだけが計測される。

i)プラトー勾配の説明と最適hvの決定法
プラトー勾配とは、g)で説明したGM計数管領域のときの計数値のことで、ほぼ一定となる。プラトーが長く、傾斜が緩やかなものが最適であり、プラトー幅は200V以上、プラトー勾配は3%以下であれば良い。また、最適hvは、開始電圧よりプラトーの約三分の一高い値、即ちV1+(V2-V1)/3である。

j)プラトー勾配が安定しないとき何の異常が考えられるか?
電圧の低過ぎか高過ぎ、または、充填ガスにハロゲンガスを用いた場合には、放電し、解離したハロゲンが再び結合するので、プラトーが短くなり、傾斜(勾配)も急になる。

k)以上の知識からGM計数装置の計数原理を述べよ
GM計数管の円筒部分を陰極、中心部分を陽極とし、高電圧をかけると陽極付近の電荷が強くなる。このときに、放射線が入射し、充填ガスを電離させ、発生した陽子は陰極に、電子が陽極(中心電極)に移動し、さらに陽極付近で充填ガスを電離して電子なだれによるガス増幅を起こし陽極(中心電極)全体に電離を波及させ、大きな出力パルスを得る。これが波高弁別回路を通過し、電気パルスとして電気回路によって計測され放射線を計測することができる。

l)cpm、cpsは何の略か?また何を意味するか?
・cpm=counter per minute…1分間の計数率
・cps=counter per second…1秒間の計数率

2.ニ線源法について

a)ニ線源法の原理を説明せよ
ある線源の放射線を測定する場合、必ず自然放射線(バックグラウンド)も一緒に測定され、純粋な線源のみの放射線量(正味の計数値)を測る事が出来ない。そのために、ダミー線源を用いて自然放射線(バックグラウンド)の線量をあらかじめ測っておき、その分だけ差し引けば正味の計数値が得られる。

b)不感時間とは何か
GM計数管に放射線が入射すればイオン対を生じ、さらに管内の気体をイオン化し、多数の二次イオンを生じるが、このうち陰電子は速やかに陽極に引き寄せられ、第一回目の電圧パルスが観察される。 そのあと管内に生じたイオン対はそれぞれ陽極陰極に移動し、放電して再び元の状態となる。この間の、出力パルスが波高弁別回路を通過できない程微量なため計数されず放射線にと判断されない時間。

c)分解時間とは何か
不感時間後、次の放射線が入射する時間で初めて、h以上のパルス波高となり、第二番目のカウントが得られる。つまり、この間の放射線は数え落とされたことになり、このように引き続いて入射する放射線を二つ目として計数できるまでの時間(一回目のカウントから二回目のカウントまでの時間)を分解時間という。通常のGM計数管の使用電圧では、分解時間は約100~400μsec程度である。

d)回復時間とは何か
第二回目のカウントが、一回目のカウントと完全に同じ波型になるまでの時間。

e)GM計数装置で、線源の真の計数率を計算するために用いるパラメーターは不感時間、分解時間、回復時間のどれか
分解時間。

f)本実験で線源と、GM計数管の距離を一定に保ったのは何故か
計測される放射線量は、線源と検出器との距離、角度、位置または試料の厚さによって変化するから。

g)β崩壊について説明し、それぞれの崩変に対応する代表的な核種とその物理学的半減期を三つ以上述べよ。
不安定な核が、正あるいは負に荷電された電子を放出して、別の元素に変わること。
・陰電子崩壊…中性子の数が多い(陽子数<軌道電子)とき、β-(陰電子)を放出して安定させる。中性子の一つが電子を出して陽子に変わるので、原子番号が1つ増え、安定なN(中性子)/Z(陽子)に近づく。
例)64Cu→64Zn:12.7時間
35S→35Cl:87.32日
3H→3He:12.33年
・陽電子崩壊…中性子が少なくて相対的に陽子が多いとき、β+(陽電子)を放出して安定させる。核内の陽子が、1つ陽電子を出して中性子にかわるので、原子番号が1つ減り、安定なN/Zに近づく。
例)11C→11B:20.4時間
132Nd→132Pr:1.75分
68Ga→68Zn
・軌道電子捕獲…中性子が少なくて相対的に陽子が多いとき、軌道電子(K殻の電子)を取り込む事で核を安定させる。β線ではなく、特性X線を放出する。
例)125I→125Te:60.1日
  75Se→75As:120日
51Cr→51V:27.7日

[考察]
 今回の実習において、プラトー幅は250V、プラトー勾配は0.98%であった。演習問題1のi)より、使用電圧は正しかったといえる。ただし、計数装置の調子が良くなかったため、値の正確さは不明である。今回は単なる学習の一環の実験であるため、そのまま値を使用した。


実験2

1.計数値の統計的変動について

a)ポアソン分布(Poisson distribution)とは何か
多数回の計測を行なってその計測値の平均を中心に取り、それらの標準偏差をとると、多数回測定した値の約68%の計測値がNav±√Nav(標準偏差σ=√Nav)の範囲内に入る分布図のこと。

b)計数Nとその計数時間tから計数率cpmとその標準偏差σを示す式を示せ
cpm=N/t 、 σ=±√N/t
  よって N/t±√N/t(cpm)

c)自然計数Nbとその測定時間tb、線源の計数Nとその測定時間tより正味の計数率cpmとその標準偏差σをあらわす式を示せ
cpm=N/t-Nb/tb 、σ=√(N/t2+Nb/tb2)より
N/t-Nb/tb±√(N/t2+Nb/tb2) (cpm)

d)変動計数CVとは何か?またCVを計算するメリットは
変動計数CVとは、標準偏差(√N)と計数値(N)との比のことで、相対標準偏差ともいう。変動係数(CV%)=SD/mean(みかけの計数値)×100=√N/N×100=1/√Nav(みかけの計数値の平均)であらわされる。CVとは、それぞれの計数値の誤差の判定に用いられる。つまり、それぞれの計数値が標準偏差の値とどれだけの差が有るか、誤差があるかを判定するという事である。CV値は、全計数値(カウント数)が大きくなればなるほど小さくなり、100000カウントでCV=1%となり、CV値は1%以下が望ましい。

e)問題は略
Nは100カウント=100N、10000カウント=10000N、また、cpm=N/t±√N/tより
1分測定→100±10cpm、100分測定→100±1cpm
即ち、計数率はどちらも100と同じだが、標準偏差の割合(CV)が、1分間:CV=10%、100分間:CV=1%と100分間測定した方が誤差が小さくなる。

f)20分間における試料の計数値が1,100カウント、30分間における自然計数値が900カウントであるとき、正味計数率(cpm)とそれに対する標準偏差を求めなさい。
cpm=N/t-Nb/tb±√(N/t2+Nb/tb2)より
1100/20-900/30±√(1100/400+900/900=25±1.94cpm

2.計数管と線源の幾何学的関係について

a)線源との距離と計数の関係を述べよ
線源からの距離Sが大きくなれば計数値Nは小さくなり、距離Sが小さくなれば計数値Nは大きくなる。これを、逆自乗の法則(inverse sqare-low)という。

b)放射線が計数管の窓に入射する角度と計数にはどんな関係があるか
入射角度をθ、範囲を0°<θ<90°と、するとθが小さくなればなるほど計数値は大きくなり、θが大きくなればなるほど計数値は小さくなる。

c)分解時間が100μsecのGM計数装置で10分間測定した。得られた計数率が30,000cpmであった時、数え落としの割合(%)を求めなさい。ただしこの時の自然計数率(Nb)は10分間測定で150cpmであった。
正味の計数率=30000/10-150/10=2985cpm 、真の計数率N=n/(1-nτ)より
  N=2985/(1-2985×100×10-6/60)
   =3141.28
  よって数え落された数(カウント数)=3141.28-2985=156.28なので
  数え落しの割合=156.28/3141.28×100=4.975
  ゆえに4.98%

d)分解時間が300μsecの測定器で計数した値が3,500cpmの試料の真の計数率はいくらか
  真の計数率N=n/(1-nτ)
        =3500/(1-3500×300×10-6/60)
        =3562.34
  よって3562.3cpm

[考察]
ヒストグラムのSD(Ns-Nb±√(Ns+Nb))の範囲内に全計測数の約68%が存在していればポアソン分布として使用できる。本実験は679.9±27.0という範囲内に、全計測数20個のうち15個が入っている(75%)ので正常範囲内である。
また、CV%の値が、1分間:3.77、3分間:2.17と、測定時間を長くした方が誤差が小さくなっていることが確認できた。演習問題1.-d)より、CV値は1%以下が望ましいが、今回の、3分間測定の方でも1%以上であった。この原因には、自然放射線の存在、宇宙線(μ線)、測定器の電気回路に生ずるノイズなどによる誤差など様々考えられる。
 線源からの距離が離れるにつれて指数関数的に計数値が下がるのが確認できた。これは、2.-a)に示した通りである。また、角度を変えた場合、放射線の放出方向に垂直であるほど計数値が低くなった。これは散乱線によるものや屈折が原因として考えられる。逆に言えば、放出方向の正面でなくともある程度の被爆がありえることを示しており、実際の現場では注意が必要である。


実験3

a)問題は略
90Sr(親核種)→90Y(娘核種)→90Zr(安定核種)というようにβ崩壊を起こすが、放射平衡が成り立つためには、親核種の壊変定数が娘核種のそれより小さい事が条件である(逆ならば、過渡平衡)。実習書より、90Sr(親核種)の壊変定数=1/28.78y、90Y(娘核種)の壊変定数=1/64.1h、とあり、90Sr(親核種)の壊変定数<90Y(娘核種)の壊変定数なので両者の放射平衡は成り立つ。

b)90Yはどのような放射線を出して何の核種になるか
β―壊変。90Zrとなる。

c)以下の放射線用語について説明せよ
・ミルキング…体外計測用の放射性核種は、半減期が短いほど被爆が少なくてすむので価値が高いが、半減期が短いと取り扱いが不便である。ここに放射平衡を利用し、長い半減期の親核種から短い娘核種を繰り返し分離・抽出する方法。この操作は、乳牛から時間を経て核乳するのと同様なものであるため、このような名が付いた。
・カウ…ミルキングに用いる親核種のこと。
・ジェネレーター…ミルキングの機械。娘核種をいったん取り去っても、一定(半減期の倍数)時間後には平衡状態が復活する。

d)線飛程および質量飛程について説明せよ
・線飛程…荷電粒子がその運動エネルギーを失うまでに進む距離(m)
・質量飛程…線飛程に吸収される物質の密度を乗じたもの(mg/cm2)

e)問題は略
アルミニウムの厚さ(cm)X=吸収層厚R(mg/cm2)/アルミニウムの密度(2.7g/cm3=2700mg/cm3)より、
Al吸収板(mg/cm2) 27 54 81 135 270 540 810 1350
÷2700(X)cm 0.01 0.02 0.03 0.05 0.1 0.2 0.3 0.5
X×10 mm 0.1 0.2 0.3 0.5 1.0 2.0 3.0 5.0

f)問題は略
90Srの最大エネルギー(βMax)=0.546MeV、(0.8 MeV>0.546>0.15MeV)
またR(mg/cm2)= 542・E-133 (E>0.8 MeV)
  R(mg/cm2)= 407・E1.38(0.8 MeV>E>0.15MeV)
より最大質量飛程R(mg/cm2)= 407・0.5461.38
             =176.57
また、線飛程(cm)=質量飛程R(mg/cm2)/密度(g/cm3)なので
水:1g/ cm3=1000mg/cm3  線飛程(cm)=176.57/1000=0.177cm
氷:0,9 g/ cm3=900mg/cm3   線飛程(cm)=176.57/900=0.196cm
90Yの最大エネルギー(βMax)=2.282MeV、(2.282>0.8 MeV)
またR(mg/cm2)=542・E-133 (E>0.8 MeV)
  R(mg/cm2)=407・E1.38(0.8 MeV>E>0.15MeV)
より最大質量飛程R(mg/cm2)=542・2.282-133
             =1103.8
また、線飛程(cm)=質量飛程R(mg/cm2)/密度(g/cm3)なので
水:1g/ cm3=1000mg/cm3  線飛程(cm)=1103.8/1000=1.104cm
氷:0,9 g/ cm3=900mg/cm3   線飛程(cm)=1103.8/900=1.226cm

g)問題は略
3H(トリチウム)の最大エネルギーE:0.0186MeV(0.8 MeV>0.0186>0.15MeV)より
 R(mg/cm2)=407・E1.38に代入
      =1.67
  3Hの質量飛程は1.67mg/cm2
 よって水中の線飛程は、
  水:1g/cm3=1000mg/cm3 線飛程(cm)=1.67(mg/cm2)/1000(g/cm3)
                    =0.00167cm
また32Pの最大エネルギーE:1.711Mev(1.711>0.8 MeV)より
  R(mg/cm2)= 542・E-133に代入
       =794.382
  32Pの質量飛程は794.382mg/cm2
 よって水中の線飛程は、
  水:1g/cm3=1000mg/cm3 線飛程(cm)=794.382(mg/cm2)/1000(g/cm3)
                    =0.7944cm

h)問題は略
標準状態(PV=nRT)より
  1×22.4=n×0.082×273
 ここで、n=W/M (気体の平均分子量M=28.89/mol)より
  標準状態での密度(W/22.4)
         =(1×M)/(0.082×273)
         ≒1.29mg/cm3 
 空気m3中の気温0℃時の飽和水蒸気量は、4.8g/m3=4.8μg/cm3
この65%(湿度)が標準状態時の水蒸気量なので4.8μg/cm3×65/100=3.12×10-3mg/cm3

実習日の湿度は53%、気温は23.3℃で気圧は762.9mmHg
 実習条件では、PV=nRT 、n=W/M(気体の平均分子量M=28.89/mol)より
762.9/760×V=W/28.89×0.082×(273+23.3)なので
W/V=1.178mg/cm2

 最大飛程(線飛程)(cm)=質量飛程R(mg/cm2)/密度(g/cm3)より
・標準状態
90Sr:1.29×R(mg/cm2)=407・E1.38×10-3に代入して
     R(mg/cm2)=136.88×10-3
90Y:1.29×R=(542・E-133)×10-3
      R=855.7×10-3
14C:1.29×R=407・E1.38×10-3
     R=24.3×10-3
3H:1.29×R=407・E1.38×10-3
     R=1.29×10-3

・実習室状態
また、23.3℃での飽和水蒸気量20.5g/m3、湿度53%のときの単位体積あたりの水蒸気の量は、
20.5×103÷106(mg/cm3)×0.53=1.087×10-2(mg/cm3)
したがって、
空気の密度(mg/cm3)=1.178+0.01087=1.18887≒1.19(mg/cm3)となる。
空気中での線飛程(cm)=R(mg/cm2)÷空気密度(mg/cm3)なので、標準状態と同様に
90Sr:R=148.138(cm)
90Y:R=927.60
14C:R=26.34
3H:R=0.59
これより密度と最大飛程は、反比例する。

[考察]
実習書のP13より、90Srの最大エネルギーは0.546MeV、90Yでは2.282MeVである。今回の実習の結果をみると、算出した最大エネルギーが実際の最大エネルギーより両方とも大きくなっていた。このようになった原因として考えられるのは、グラフの書き方がずれていたことが1番に考えられる。このようなことが起こらないようにするには、吸収層厚の種類(値)の数をさらに増やし、より精密なグラフを描くことで解決すると思われるが、人の手による概算では限界があるため、コンピューターを使うのも良いと思う。
90Srから放出されるβ-線が体内に入った場合、ヒトの体の密度はほとんど水と同じであると考えられるので、演習問題のf)結果より、線源から半径0.177cmの範囲で被曝すると考えられる。しかしこれは線源がヒトの体に密着していた場合であり、演習問題のh)より、線源から150cmほど離れるとほとんど被曝しない。しかし90Srの娘核種である90Yの場合は、放出されるβ-線が体内に入った場合、線源が体に密着していると半径1.104 cmの範囲で被曝する。さらに、線源から950cmつまり9.5mまでβ-線がとどくため、注意が必要である。



参考文献
獣医放射線学実習書
放射線基礎医学
講義プリント
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